見ようとしたきっかけは、表の画像だけ見て「手の演技」?!と思ったから。
――実は「手」と言えば、私の世代(?)なら避けては通れない「あの伝説の漫画の名シーン」があるのだけど……それは後半で。
あと、短編映画なので、さっと観られて助かると思った。
ジャンルがホラーと書いてあるし、見た目あからさまにそれっぽいから覚悟した。それにしても30分弱、って一体どんな映画?
監督:芦原健介
主演:菅野貴夫、小島彩乃
公開年:2021年
国:日本
ジャンル:ホラー、ロマンス、異色作、短編映画(25分)
「マニブス(Manibus)」というのは、ラテン語で「手(manus)」の複数形・奪格形だとかで、「手によって」といった意味があるそう。 「手によって」…どうなる?そう思って見ると短編ながらなかなか不気味。
下町工場で場で働く一人の男に、封筒が届く。中には何かの種。それを鉢に植えてみたら、生えてきたのは、まさに、””手””?!
その存在に、変わらぬ日常にちょっとした趣味ができる。
さっきの手の演技について。
手だけの演技、と言えば、「ガラスの仮面」第5巻の作中劇、『ジーナと5つの青い壺』が未だに忘れられない。
この話は父親が旅立った後、一人留守番をする中でひょんなことから青い壺を預かることになるが、その壺にまつわるサスペンス劇。
様々な人間が壺をめぐって訪れる。ジーナは父のいない間、それを守るために奮闘する。久しぶりに読み返したけれど、この緊迫感はすさまじいものがあって、月影千草の手の演技もとても印象的だった。
全日本演劇コンクール東京地区予選に参加した「劇団つきかげ」は「劇団オンディーヌ」の小野寺に妨害工作を受ける。
北島マヤ以外劇場に到着できず、棄権やむなしと思いきや、マヤはたった一人でこれを演じきった。まさに天性の才能。
その劇中、窓から手を「スッ…」と差し入れるだけで、侵入者を演ってのけたのが月影千草で、観客はギャー!
助っ人として舞台裏で奮闘した劇団一角獣のメンバーにも、「手だけであれだけの恐怖感を出すなんてさすがですね」と言われている。
覚えてる人も多いんじゃないかな。
さて、映画に話を戻すと…
最低限の感想を書くと、結論、新聞の4コマ漫画的な面白さ。
月影千草のような派手なインパクトはないけれど、後を引く気味悪さがある。星新一のショートショートを読んだあとのような、「……え?」と立ち止まってしまう不思議なストーリー。
想像していたものとは違う。 気味悪い。なんか異常。
でも、見て良かった。
25分という時間を消費したことに損は無いかな。

