見ようとしたきっかけは、表の画像だけ見て「手の演技のなんとやら…何かしら不気味に動いてくれるのかな?」と思ったから。
あと、短編映画なので、さっと観られて助かると思った。
ジャンルがホラーと書いてあるし、見た目あからさまにそれっぽいから覚悟した。それにしても30分弱、って一体どんな映画?
◇◇
監督:芦原健介
主演:菅野貴夫、小島彩乃
公開年:2021年
国:日本
ジャンル:ホラー、ロマンス、異色作、短編映画(25分)
「マニブス(Manibus)」というのは、ラテン語で「手(manus)」の複数形・奪格形だとかで、「手によって」といった意味があるそう。 「手によって」…どうなる?そう思って見ると短編ながらなかなか不気味。
下町工場で働く一人の男に、封筒が届く。中には何かの種。それを鉢に植えてみたら、生えてきたのは、まさに、””手””?!
最初は不気味だったはずなのに、男はだんだんとその“手”に奇妙な愛着を抱き始めていく。
その手の動きが、面白い。
可愛くも妖艶でつややか、かわいがりたくなる動きをする。ゆるりゆるりと。
しかし、CG?これはちゃんと人が演じてる?
後で調べたら、「本物の役者の手の動き」や「特殊メイク・造形(プロップ)」をカメラワークと職人技で組み合わせ、まるで本当に生きているかのように見せる「特撮」に近い手法で撮影している、ということで、これは努力のたまものの実演らしい。
何でもかんでもAIに見えてしまう昨今だけど、「手」の黒さ加減は漆黒で、手袋の艶感なんかが出てないかと目を凝らして見ていたけど、そんな艶、私はあんまり気づかなかったな。よくできてるよね。
そんな手の演技に加え、「ホラー」だというから、怖いシーンがいつ現れてもいいように身構えてた。
一瞬ヒヤッとするシーンも無いわけじゃない。
…え?やっぱりそうなるの?まさかこれから生臭いシーンか!?
それか、あわや三角関係からの「取り殺し」パターンか!?
とは思ったものの、この”手”、意外と『オトナ』らしい。
なんだそのオトナな反応は(笑)
派手ではないのに、なぜか後を引くちょっとした気味悪さはある。星新一のショートショートを読んだあとのような、不思議なユーモアがある。
想像していたものとは結構違う。 なんか気味悪い。なんか変。
でも、見て良かった。
25分という時間を消費したことに損は無いかな。
――実は「手」と言えば、私の世代(?)なら避けては通れない「あの伝説の漫画の名シーン」があるのだけど……それは別記事で。